この記事でわかること。
- 参考書にはどんなものがあるか。
- 自分にあった参考書の選び方。
- 本当に使える5つの参考書。
参考書にはどんなものがある?
看護学に関する参考書にはいくつかの種類があります。
・学術書系:看護学の概念、歴史、事例に基づくアセスメント方法などが網羅。
・看護技術系:各看護技術の手順や根拠の詳細がまとめられている。
・辞書系:検査データの基準値や輸液の種類についてまとめられたものなど多岐にわたる。
・図鑑系:解剖整理に関して図やイラストでまとめられているもの。
上記のような種類があり、それぞれ用途や場面に合わせて使い分けることができるほど、多くの種類の参考書があります。
自分にあった参考書の選び方。
看護学に関する参考書は、小さなものは1,000円ほどで購入でいるものがありますが、教科書ほどの大きさのものは2,000~3,000円、またはそれ以上するものもあるため、決して安い買い物ではありません。さらに看護学生が学ぶ分野は多岐にわたるため、全分野で何冊も購入しようとすると、かなりの金額を要することになります。
そのため、基本的には学校指定で購入する教科書を最大限活用することをお勧めします。
教科書の指定は学校ごとに異なりますが、医学書院やメディックメディアなど、病院でも常備されているような出版社の書籍を使用している学校もあります。さらに学校の教員の方々も、指定の教科書から授業を組み立てるので、テスト対策でも重宝するため、教科書を十分に活用することが大前提です。
そのうえで、「もう少し詳しく勉強したい。」、「もう少しわかりやすい参考書が欲しい。」という時には参考書の購入を検討してもいいのかもしれません。
参考書を購入する場合、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
まずは以下のリストを参考に、ご自分の好みや傾向を考えてみてください。
- 文字数は、多めがいい?少な目がいい?
- イラストや写真は、あった方がいい?なくてもいい?
- 参考書全体の雰囲気は、シックな感じがいい?ポップな感じがいい?
正直な話、書いてある内容はどれもほとんど変わりはありません。
そのため参考書選びでは、いかにご自分が抵抗感なく読むことができて理解しやすいか、という点が重要になります。
ショッピングモールなどにあるような大型書店では試し読みができますので、是非一度読んでみてご自分に合いそうなものを探してみてはいかがでしょうか。
本当に使える参考書5選
ここでは私が看護学生時代に実際に使用していた参考書をご紹介します。
私は学校の図書館も利用しながら、本当に手元に置いておきたいものだけ購入していました。
それで科目ごとのテストは90~100点を連発、実習は85点以上を維持(厳しいことで有名な教員から過去最高点を頂いたこともあります)していました。
好みは人それぞれ違いますが、是非参考にしてみてください。
看護がみえる (メディックメディア)
一番重宝していたものが、この「看護がみえる」シリーズです。
看護がみえるシリーズは現在以下の4種類販売されています。
- 看護がみえる① 基礎看護技術
- 看護がみえる② 臨床看護技術
- 看護がみえる③ フィジカルアセスメント
- 看護がみえる④ 看護過程の展開
上記のうち、①~③を購入しました。この3冊で校内実習、病院実習どちらにおいても手順書は完璧に作成できます。
看護がみえるシリーズの特徴を以下にまとめます。
- ポップなデザインで抵抗無く読み進めることができる。
- 必要な看護技術はすべて網羅されている。
- イラストなどの図説が多く、実際の場面を想定しやすい。
- 看護技術の手順は、物品準備~記録・まとめ、まで詳細に記載されているため、これだけ十分通用する。
- 手順の途中に根拠が記載されているため、理解しながら手順書を作成することができる。
この看護がみえるシリーズは、私の同級生のうち約80~90%が所持していたのではないかと感じるほどに、所有率が高かった書籍です。それだけ、使いやすくわかりやすい参考書です。教員からも勧められ、これであればこのままコピーして、マーカーやメモを自筆していれば実習での手順書として良いとされた場合もあるほどでした。
間違いなく、学生生活で一番重宝する参考書になります。
エビデンスに基づく疾患別・症状別看護ケア関連図 (中央法規出版)
関連図の展開で重宝していたのが、こちらの参考書です。
- エビデンスに基づく疾患別看護ケア関連図
- エビデンスに基づく症状別看護ケア関連図
『疾患別看護ケア関連図』、『症状別看護ケア関連図』は各診療科に代表される疾患や、診療科に関わらず幅広い疾患の関連図例が記載されています。
こちらのシリーズは、『消火器看護ケア関連図』や『精神科看護ケア関連図』などのように各診療科ごとの書籍があります。
しかしすべて揃えようとすると金額がすごいことになってしまいます。そのため私は上記の2冊に絞って購入しました。
その理由は以下です。
- 『疾患別看護ケア関連図』に各診療科での代表的な疾患の関連図例が記載されている。
- 看護学生の実習では、代表的な疾患の患者様を受け持つため『疾患別看護ケア関連図』の内容で十分対応できる。
- 『症状別看護ケア関連図』に幅広く代表的な症状での関連図例が記載されている。
- 『症状別看護ケア関連図』は診療科に関わらず応用することができる。
- 疾患と症状、治療との関連性が見やすく記載されているため理解しやすい。
私は上記の理由からこの2冊だけを購入しましたが、関連図を作成する際に受け持ち患者様の病態を理解するうえでとても役立ちました。
実際、実習においてとりわけ関連図の作成と発表が一番教員から評価されていました。
看護実習クイックノート (照林社)
『看護実習クイックノート』シリーズは、持ち歩き可能なポケットサイズの参考書です。
各診療科ごとのものや、全体を大まかに網羅した総合版、看護技術版など複数の種類があります。
そのうちは私が購入したものは以下の2点です。
- 看護学生クイックノート
- 精神 看護実習クイックノート
上記の総合版と精神科版を購入していました。
理由は、総合版をおまもり代わりにすべての実習に持参し、精神科版は患者様への対応や薬剤の適応が他診療科と異なる点が多く苦手意識があったからです。
実習では重宝していましたが、実際に使用してみてメリット・デメリット両面を実感したので紹介します。
〈メリット〉
- 1冊1,000円ほどのため手が出しやすい。
- 解剖整理や検査値の見方、アセスメント方法や看護技術の注意点など幅広く記載されている。
- イラスト付きで見やすい。
- ポケットサイズのため持ち歩くことができ、実習中にど忘れした時にその場で調べることができる。
- 手書きでノートをまとめる手間が省ける。
- 実習中の安心材料になる。
〈デメリット〉
- 情報量は広く浅くのため、知りたい情報が載っていないことがある。
- 索引の項目数が少なく調べにくい。
- 学校または教員によっては、実習への持ち込みを禁止される場合がある。
上記のようなメリット・デメリットを実感しましたが、私にとってはメリットの方が多かったため使用していました。
特に手書きでノートを作成することが大の苦手な私にとっては、とても有難みを感じる書籍でした。
看護の「なぜ・何」QA 納得 信頼 安心 (照林社)
こちらの書籍はちょっとしたコラムを読む感覚で使用していましたが、意外と痒い所に手が届く感覚がありました。
呼吸、栄養・消化、神経・代謝など、いくつかの分野に分けられ320個ものQ&Aが記載されています。
教科書では軽く触れられるだけの項目や、実際に患者様にお会いした時に感じた疑問について、割と答えを導いてくれるようなことが多かったと感じています。
特に血糖値などの代謝に関わる部分は、実習でも関わることが多いだけでなく管理の仕方が命に係わる重要な事柄なだけに、理解を深めるのに役立ちました。
この書籍の購入を決めたポイントは以下です。
- 320個ものQ&Aが記載されており、勉強するというよりも読書を楽しむ感覚で読むことができる。
- イラストや図解、ちょっとした関連図も載っているため実習でも意外と役に立つ。
- 各診療科で重要な事柄や疑問を抱かれやすい事柄について、アセスメントのポイントなどがわかりやすく、かつ深堀されて解説されている。
パッと引けてしっかり使える 検査値の読み方ポケット辞典 (成美堂出版)
実習では、受け持ち患者様の検査値を参照し、その数値が異常か正常かをアセスメントし、必要な看護ケアは何か考えなくてはいけません。
この書籍では、各検査値の正常・異常に加えて考えられる疾患や症状、観察のポイントから必要なケアまで記載されています。ポケットサイズのため分量は少ない場合もありますが、病態とケアの必要性の概要を調べるうえでは十分な情報を得ることができます。
ポケットサイズですが、持ち歩くには少し厚みがあって不便なため、カバンに入れておいて机に向かえるタイミングで取り出して使用していました。
この書籍を購入したポイントは以下です。
- 血液検査だけでなく、尿検査や腹水検査などについても記載されている。
- 異常値の場合の考えられる病態や観察項目、ケアのポイントが記載されており理解しやすい。
- ポケットサイズのためバッグに持参していてもかさばらない。
- 実習などでスマートフォンの持ち込みを禁止されている状況での調べ学習で役に立つ。
番外編~図書館で重宝していた参考書~
ここまで私が実際に購入した参考書を紹介してきました。
ここでは購入はしなかったものの、実習前にはほぼ必ず図書館で借りて必要なページをコピーして使っていたほどに重宝していた書籍をご紹介します。
病気がみえる (メディックメディア)
『病気がみえる』シリーズは、上述した『看護がみえる』シリーズの疾患にフォーカスしたバージョンです。
このシリーズは各診療科また分野ごとに①~⑮までラインナップされています。
図解から詳細な解説など、疾患についての詳細がとてもわかりやすく書かれているため人気があります。
私は教科書に指定されていた『病気がみえる⑤血液』だけ所有していました。
中には全種類購入していた友人もいましたが、新品で購入すると1冊4,000円近くするため、さすがに全種類購入することは躊躇してしまいました。
それでもすべて欲しくなる気持ちは十分に理解できるほど、手元に置いておきたい参考書です。実習の前になると皆こぞって図書館に借りに行くため、本棚から無くなるのは恒例行事のようになっていました。
実際の病棟でも常備しているほど、現役の看護師や医師でも参考にするほどの書籍のため、お金に余裕のある方は全種類購入するだけの価値は十分にある書籍です。
こちらの参考書をお勧めしたいポイントは以下です。
- フルカラーで、イラストや図解が多く見やすい。
- 疾患や症状についてわかりやすく、かつ詳細に記載されているため理解を深められる。
- 教科書に指定されたり、実際に病棟でも常備されるほどの情報量がある。
まとめ
この記事では私が実際に購入した参考書と、購入はしていないもののお勧めしたい参考書をご紹介しました。
〈購入したもの〉
- 看護がみえる①~③
- エビデンスに基づく疾患別・症状別看護ケア関連図
- 看護実習クイックノート 総合版・精神科版
- 看護の「なぜ・何」QA 納得 信頼 安心
- パッと引けてしっかり使える 検査値の読み方ポケット辞典
〈購入はしていないけどお勧めしたいもの〉
- 病気がみえる①~⑮
いかがでしたでしょうか。
看護学生は多くのことを勉強しなければいけません。
限られた時間で効率よく勉強していくために、何かしらの参考書を購入することがあると思います。
少しでも皆さんの参考書選びのお役に立てれば幸いです。
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